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手嶋龍一・佐藤優「インテリジェンス 武器なき戦争」

インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)

手嶋龍一・佐藤優「インテリジェンス 武器なき戦争」の感想。両者の対談を収録した本。これ一冊分の内容を得るために、いったい何時間くらい対談していたのであろうか。全てを収録したわけでもないだろうから、およそ6時間くらいかな。いや、両名とも専門家なので案外無駄というものは少なくて、もっと短時間で済んだのかもしれない。まあ一度に済ませる必要もないので、伊豆あたりのホテルで泊りがけで数日に渡って対談を行ったのかもしれない。「〜しれない」だらけで恐縮ですが、ついつい舞台裏が気になる性分なのです。困った読者で済みません(笑)。

内容はおおむねタイトル通り。普通に社会の情報を得ている人であれば、タイトルの意味合い、特に日本にとっての必要性が理解できるのではないだろうか。私見になるが、冷戦後のアメリカ一極支配が弱まった場合、日本の身の振り方は従来とは違って重要性をいや増しに増す。今まではアメリカの後が定位置であり、時には理不尽ともいえる要求を飲まされつつも、東欧諸国のような厳しい局面を回避できた。ヤンキー親分さまさまである。しかし、2008年以後はちょいと事情が異なる可能性が高い。ドルが基軸通貨の地位を失うかもしれない。失わずともドルの支配力が低下するだろう。おまけに問題の捌け口として戦争カードを使いにくい状況である(なにしろ既に2枚使ってるからね)。アメリカがくしゃみをすれば日本も風邪を引く。ここ十年の日本は慢性の頭痛もちみたいになってるけど、こんなものではなかろう。難局を乗り切るために必要とされるのは、情報を的確に判断し、それをカードとして利用できる機関である。個人の力量でどうこうできる問題ではないし、そもそも戦後の政治家が小粒になったのは今さら指摘するまでもないことだ。局地戦で勝利しても戦線を押し込まれたドイツ東部戦線に何らの意味もないのだから。さあ、どうするべ?

日本が情報の宝庫という佐藤さんの指摘には驚かされた。ただ単にダダ漏れになっている状況を揶揄したのかもしれないけど。もし本当ならば、これを利用しない手はない。どうやって利用するのか? さて、それが問題だ。本書が再三再四にわたり訴えかけていることでもある。幾度も指摘されているように、役所として器だけ作ってもオペレーションは回らない。新装開店したお店のスタッフがわたわたと浮き足立っているのと同じである。大切なのは、まず人員。人員といっても頭数だけ揃えても意味がなく、必要なのはライトスタッフだ。次に彼らをバックアップする諸々の支援。特に制度的バックアップと資金的バックアップは重要だろう。早めに手を打たないと、その分だけきっちり出遅れることになる。しかも、相手はその分だけ先に進んでいる。なんでやらないんだろうね。困ったことだ。やれやれ。

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野武士旅団
このページは野武士旅団のコンテンツです。運営者(ウンエイモノ)は大和46サンチ(もしくは藤原源平)。趣味は読書と旅行。読書スタイルは濫読。旅行は貧乏旅行。旅の相棒はホンダのスーパーカブ90。座右の銘は「格好なんて後からついてくるもんだ」 投資はやってない。元本も保証しない。特価0円の裏には何かあると考えちゃうタイプ。セールス電話を問いつめちゃう人なので、2度目にかかってくることはまずない。
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