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甲斐田忍「ONE OUTS」の感想。連載はヤングジャンプ。全19巻を一気に読了。いかに漫画とはいえ、19巻も一気に読んだら疲れるね。目と背中が痛いよ。
いきなりでアレだけど、トクチはホリエモンです。ホリエモンといっても逮捕されたホリエモンじゃなくて、血行不良になってる業界に殴り込みをかけた方のホリエモン。違う言い方をすれば新風を吹き込んだとか、一石を投じた、になるのかな。まあとにかくホリエモンですよ。旧体制の老害どもにとって、ホリエモンみたいな存在は許し難い存在になるわけだ。なぜなら自分たちの地位を脅かす敵なのだから。邪魔者は排除しろと言わんばかりに、なりふり構わず因縁をつけて排除しようとします(実際にした。楽天のミキティーは対照的に受け入れられた。)。醜い悪あがきなんだけど、実際誰でもそれくらいはするでしょう。悪あがきが成功すれば、誰も悪あがきとは言わなくなる。勝てば官軍、これは人間社会のお約束。歴史が証明する事実。マスコミは勝った方を持ち上げて、負けた方を徹底的に叩く。ホントに使えない連中だな。第4の権力を名乗るのであれば、本質的な問題点に迫る必要があったはずなんだけどね。ストレッチで血行が良くなれば、腰痛や肩こりが治るのと同じこと。新しい方法で治療を迫る人と治療を拒む人を比べるよりも、まず治療の必要を明らかにしてから、適切な対策を考えるべきだった。あの時に適切に対処してれば、プロ野球の視聴率がここまで落ちることもなかった・・・かもしれない。今の日本では何事においてもお金が優先されるから、権力者=金持ちの思い通りになってしまう。いつまでたっても不況が終わらないばかりか、格差とか貧困層が増えているのもそのせいだ。日本の強みである教育とモラル、それらを土台にした勤勉さと組織力がものの見事に失われてしまった。目先のニンジンを追いかけるあまり、結果的にジリ貧状態に陥ったというわけだ。やれやれ。
アニメでは既存勢力が悪みたいに描かれているけれど、必ずしもそうとは言い切れない。前のパラグラフと真逆のことを書いているようだけど、これはこれで真実なのだ。トクチが存在できるのは、既存のスタイルが存在するからであって、全員がトクチだったら試合そのものが成立しないんじゃないかな。テクニカルな攻防が無くなり、常にガチンコ勝負ばかりの試合になるかもしれない。アウトローが存在しえるのは、ロー(法律)があるからで、ローが無くなっちゃうとアウトローなんて言葉は無くなってしまうのだ。北斗の拳みたいな世界で「お前はアウトローだ」なんて言っても、「ヒャッハー」と言われてやっつけられるのがオチなんだから。アウトローに憧れを抱いても、ローのない社会を望む人はいない。そのあたりの矛盾が、この物語が放つ面白さの根底にあるんじゃないかな、とケロロ小隊に所属する私は思うわけですよ。
既存の存在を前提にして存在しうる存在のトクチ。トクチの存在により影響を受ける周囲の人々。だからといって旧態がまるでダメなのかといえばそういうわけでもない。ただし問題を抱えてるのは事実。大切なのは問題を正しく認識して、適切に対処すること。書くだけなら簡単だけど、実際はそう簡単ではない。そもそも問題を問題だと指摘することが困難なこともある。握り潰されたり、圧力で潰されたり、時には消される事もある。まさに命がけなのだ。多くの犠牲の上で問題が認識されても、正しく対処できるかどうかは疑問が残る。完治できなければ意味がないのだが、諸々の思惑が入り乱れることで骨抜きになったり、譲歩領域と聖域が分けられることもある。改革にパワーが必要なのだ。
2008年秋に「ONE OUTS−ワンナウツ−」としてアニメになりました。「おおきく振りかぶって」とは異なる大人な雰囲気が気に入っています。